抄録
あるサイズのメソ細孔は、毛細管凝縮により水蒸気を吸着・放出する特性を有するために湿度制御に寄与する。マイクロ細孔を有するゼオライトにメソ細孔を付与することにより、ゼオライトのマイクロ細孔による臭気除去と、メソ細孔による調湿性能が期待できるために、室内における快適空間創出材料としての利用が考えられる。水熱反応において生成するケイ酸カルシウム水和物である針状結晶のトバモライトは、その絡み合い構造によりメソ細孔を形成することを報告した。本研究では、トバモライト/ゼオライト多孔質複合体を合成し、ガス吸着特性について評価を行った結果、作製した複合体は、ゼオライトやトバモライトよりも高いアンモニアガス吸着特性を示した。