抄録
クエン酸錯体重合法と放電プラズマ焼結法を用いて作製したペロブスカイト型LaドープBaSnO3セラミックスについて,高温での電気伝導率及びゼーベック係数の測定から,高温電気伝導特性のLa固溶量による変化及び熱電出力因子に関するLa最適組成を調べた.Ba1-xLaxSnO3における室温でのLa固溶限は,粉末X線回折から求めた格子定数のLa濃度依存性からx=0.03程度であった.これは,拡散反射スペクトルから求めた光吸収スペクトルにおいて,La固溶にともなう近赤外光の電子キャリアによる吸収増大挙動と一致した.x=0.05のセラミック試料は,電気伝導率とゼーベック係数の温度依存性からN型縮退半導体的挙動を示した.講演では,高温電気伝導特性のLa固溶量による変化や熱電出力因子の温度依存性及びLa濃度依存性について報告する.