抄録
希土類金属をアルミニウムとともにZnOに共ドープしたn型酸化物材料を作製し、その熱電変換特性を調べた。
固相法サンプルにおいて、アルミニウムとともにZnOにドープする希土類金属の種類により、室温の導電率が大きく変化し、ある希土類金属(REM-A)をドープした場合に、特異的に高い導電率を発揮することが分かった。このREM-AとAlを共ドープしたZnOの熱電物性を測定した結果、Zn0.98Al0.02Oに比べ、熱伝導率が若干低下し、ゼーベック係数が向上することで、優れた熱電物性(ZT=0.41 at 973℃)を発揮した。また、共沈法を利用して作製したサンプルでは更にゼーベック係数が向上し、973°Cで出力因子は2.5*10-3 W/mK2 で、ZTは0.58を示した。