抄録
環境にやさしい実用材料開発の立場から、新規圧電材料は、鉛を含まない上で、Pb(Zr,Ti)O3と同等、あるいはそれ以上の圧電性能を有することが強く望まれている。現在、Pb(Zr,Ti)O3に替わるものとして、ビスマス系ぺロブスカイト型酸化物が注目されている。ビスマス系ぺロブスカイト型酸化物は高いキュリー温度を持つ圧電材料として有望である。(1-x)BaTiO3 -xBi(Zn0.5Ti0.5)O3セラミックスはキュリー温度が200℃以上と確認できたが、リーク電流のため分極処理を行うことができなかった。1)本研究では、Bi(Zn0.5Ti0.5)O3よりリーク電流が低いと予想されるBi(Mg0.5Ti0.5)O3を用いて、(1-x)BaTiO3 -xBi(Mg0.5Ti0.5)O3(以下BT-BMTと略)セラミックスを作製し、その圧電特性について検討を行った。