抄録
強誘電材料として知られるチタン酸ビスマス(Bi3Ti4O12, BIT)の代表的な作成法に、ゾル・ゲル法やMOCVD法がある。しかし、これらはゾルの縮合安定性が低く、装置コストが高いなどの課題がある。これまでに、我々はY, Ba, Cuのアセト酢酸エチル(Hetac)錯体とトリエタノールアミン(H3tea)との反応により、均質性や溶解性が高く縮合安定性に優れたYBCO系超伝導酸化物前駆体が調製されることを報告してきた。そこで本研究では、Bi及びTiのアセト酢酸エチル錯体とトリエタノールアミンとの反応により合成したBIT前駆体から強誘電体薄膜を調製し、その物性を評価したので報告する。