抄録
焼成法によりNa0.44Mn1-yTiyO2を得たのち、イオン交換によりLi0.44Mn1-yTiyO2を得た。次にAr雰囲気下でブチルリチウム(n-C4H9Li)が溶解するn-ヘキサン溶媒を滴下し、Li挿入試料(Li0.44+xMn1-yTiyO2, x=0 to 1)を得た。SEM像において挿入前の粒子の形状が直方体であるのに対し、挿入後は、Li挿入量が多い場合に丸みを帯びた。ICP分析の結果、ほぼ全n-C4H9Liが試料に挿入されることが分かった。粉末X線回折測定から、xが増加するにつれて、低角へのピークシフトが起こり、その後、急激に非晶質化するのが観察された。Li0.44+xMn1-yTiyO2の充放電試験の結果とともにトンネル型構造への化学挿入で生じる構造変化について考察した。