抄録
GSの負極特性の評価および、無機ナノシートとの複合化による電極特性の向上を試みた。酸化グラファイトを1050℃で15秒間急速加熱した後、N-メチル-2-ピロリドンに分散させ、グラファイト層間を剥離させることでGSを得た。また溶媒中に分散した状態で、GSと種々の無機ナノシートとを均一に混合することで種々の複合体を得た。無機ナノシートとして、モンモリロナイト、層状複水酸化物を用いた。GSは初回充電時に2000 mAh/gを超える大きな不可逆容量を示した。第二サイクル以降は1400 mAh/g程度の非常に大きな可逆容量を比較的安定的に示すなど優れた負極特性を示した。初回充放電時の不可逆容量を低減するために、無機ナノシートとの複合化によって比表面積の低減を試みた。無機ナノシートとの複合体は初回充電時の不可逆容量が大きく低減された。また10サイクル目以降には1000 mAh/g程度の大きな可逆容量を安定的に示すなど良好な電極特性を示した。