抄録
本研究では、炭素材料の破壊現象をより精確に把握することを目指し、炭素材料の破壊に伴うフォトンエミッションを大気圧、10-3Pa、10-6Pa中で計測し、その放出特性を明らかにすることを目的とした。試料としては、熱分解黒鉛、多結晶黒鉛、ガラス状炭素、熱処理温度を変化させて作製したC/Cコンポジットを用いた。フォトンエミッションは、ガラス状炭素およびC/Cコンポジットを10-3Paと10-6Paで破壊したときのみ観測された。このように、炭素材料の破壊に伴うフォトンエミッションは、材料構造と雰囲気圧力に依存することが明らかとなった。