抄録
ベーマイトは天然にも存在するアルミナ系化合物で、その大きさと形状には様々なものがある。我々はベーマイトの合成について、水酸化アルミニウムを原料とし、種々の添加剤を加えて水熱処理を行うことで、多様な形状のベーマイトが生成することを報告した。本研究では水酸化アルミニウムを原料として、pHを種々変化させた時に水熱合成して得られる粒子の形態の違いを観察した。XRDの結果からpH<10ではギブサイトが共存するが、10.0ではベーマイト単相となり、高pH領域でベーマイトへの反応が促進すること、また、SEM観察の結果からpHが上昇するにしたがって生成する粒子径が大きくなることがわかった。