抄録
トリチウムを回収するための水素添加スウィープガス中でLi2TiO3は質量減少が生じ、機械的強度が低下することが懸念されている。これは、T4+がTi3+に還元され電荷補償により生ずる酸素欠損によると考えられる。本研究では、LiOH・H2OとH2TiO3とを始発原料とするチタン酸リチウムの合成法により、Li2TiO3とLi過剰添加によるLi2+xTiO3+y(x、y>0)の単一相を合成した。それらの試料を水素を20%添加したArガスで900℃・8hアニールした試料を用いてアニール前後のTi価数の変化を明らかにした。その結果、Li過剰添加によるLi2+xTiO3+yがLi2TiO3と比較して水素添加スウィープガス中で化学的に安定であることを明らかにした。Ti価数の変化はXAFS測定により分析した。