抄録
CaMnO3は斜方晶系のペロブスカイト型構造をとり、n型半導体である。室温での電気抵抗率は約0.01Ω·mであり、ゼーベック係数は大きな値を示すことが報告されている。本研究では、CaMnO3の各粒子の間にAgを分散させた複合体を作製し、電気抵抗率の測定を行った。XRDの測定より、いずれの複合体にもCaMnO3とAgが共存することを確認した。Agの添加量が増加するにしたがって、各温度での電気抵抗率は減少していることがわかった。Ag/CaMnO3のモル比が0.0~0.6の範囲では、いずれも半導体であり、log ρ-1000/Tの傾きに大きな違いは認められなかった。ところが、Ag/CaMnO3のモル比が0.8の複合体では、金属的な伝導体であることがわかった。