抄録
MgIn2O4は、可視光領域での透光性と高い電気伝導度を持つことから、スピネル型透明導電性酸化物として知られている。またエピタキシャル成長させたMgIn2O4薄膜上に、スピネルおよびペロブスカイトをエピタキシャル成長させる事が可能である事から、マルチフェロイック薄膜の下部電極としての使用が期待されている。しかしながら、バルクにおいてMgIn2O4は1350 °Cでも安定であるが、薄膜では800 °C以下で部分的に熱分解するという問題点があった。本研究では、Mgを過剰とした組成のターゲットを用いる事により、熱的安定性を向上させたMgIn2O4薄膜の作製に成功したので報告する。