抄録
これまでの研究において、永田らによって界面活性剤フリーのコアシェル型ポリ乳酸/リン酸カルシウム複合粒子が報告されている。しかしながら、これらの粒子はドラッグデリバリーシステムのキャリアーとして用いるには、粒径制御および微細化と粒度分布の均一化が難しく、問題があった。そこで本研究では、エマルション分散の手法として超音波を用いた場合にどのような効果があるか検討した。結果として、超音波照射をした場合、約100ナノメートル~3マイクロメートルの粒子が得られた(超音波を照射しない場合、約20マイクロメートルの粒子しか得られない)。更に、水に対するPLA/DCM溶液の投入量を5:320から1:320へ変化させたところ、粒子サイズに変化は見られなかったが、粒子のポリ乳酸含有量が60%から19%へ減少した。