抄録
ZrNb(PO4)3はNASICON型結晶構造をもつ4価のZrイオン伝導体であることが知られている。本研究ではZrNb(PO4)3とTiNb(PO4)3、およびこれらの固溶体を合成し、その結晶構造と電気的物性の関係を明らかにすることを目的とした。ZrO2、TiO2、(NH4)2HPO4、Nb2O5を出発物質として、目的物質の組成比で混合し1000℃で12時間焼成後、1250℃で12時間焼成を2回行った。得られたサンプルをXRD、SEM-EDS測定を行った。1000℃以上の高温で繰り返し焼成を行うことにより、ZrNb(PO4)3、TiNb(PO4)3の単一相、および固溶体Zr1-xTixNb(PO4)3を合成することができた。また、Zr:Ti=1-x: x(x=0.2,0.4,0.6,0.8)の比で合成した試料はいずれも同様のXRD パターンを示した。六方晶として格子定数を計算したところ、Tiの量xが増加するに従って、a軸c軸ともに減少することが分かった。