抄録
触媒燃焼式ガスセンサは可燃性ガスの検知に広く用いられている。このセンサでは多孔質セラミックス上に担持された貴金属触媒による検知ガスの燃焼反応を検出に利用しているが、ガスの不完全燃焼等によって触媒被毒が起こり、応答性が低下する問題がある。本研究ではチタニア薄膜上にPdおよびPtを共担持して触媒燃焼式センサを作製し、紫外光照射によるチタニアの光触媒作用によるガス応答性の変化を調査した。水素、メタノール、エタノールの3種のガスについて応答性の調査を行った結果、メタノールとアルコールについてセンサへの紫外光照射より応答性が向上した。このことから光触媒による表面有機物の分解が、被毒の緩和に有効であると考えられる。