抄録
呼気にはN2, O2, CO2, 水蒸気の他に多くの揮発性有機化合物(VOC)が含まれ、成分によっては疾患との関係が指摘されている。呼気分析は人体に非侵襲な検査の為、簡便に実施可能なだけでなく、疾患によっては早期発見に繋がる。肺癌の患者の呼気から、ppbレベルの濃度のノナナール(C8H17CHO)が検出することが判明しており、高感度ノナナール検知センサの開発が求められる。
SnO2を母剤とした半導体式センサは、小型で安価なセンサシステムの構成でVOC濃度のリアルタイム検知が可能である。しかし、SnO2センサは、VOCの族別に分類すると飽和脂肪族炭化水素やアルデヒドに対して低感度である。貴金属触媒添加で一定の改善はするが1)、不飽和結合のない長鎖アルキル基のアルデヒド類であるノナナールのppbレベルの検知には、更なる高感度化が必要である。本研究では、貴金属触媒量、膜厚等の最適化を図り、SnO2センサのノナナール感度を向上させ、ppbレベルの濃度検知を目標とする。