抄録
酸化亜鉛は紫外線を吸収する効果が高く、更に透明性が高い事から化粧料に広く用いられている。また、近年化粧料に配合される原料の色調をなるべく肌の色に近くすることが求められており、Feをドープする事によって、アジア人種の肌の色調に近い色感を表現する事が期待できる。本研究では、ソフト溶液反応によるFeドープ酸化亜鉛の粒子の形態に及ぼす反応条件の影響について検討し、更に得られた粒子が化粧料に配合された時の特性について検討した。その結果、前駆体およびFeの濃度、沈殿剤および反応温度を制御することにより、球状、星型、さらには棒状に形態制御された粒子が合成され、化粧料へ応用した時、肌の色感に近い粒子であり、高いUV遮蔽効果、透明性や光拡散効果が得られることを見出した。