抄録
Teの多くは結晶構造で6価の八面体配位で存在するが、4価の四面体で存在することも報告されている。本研究ではこの4価のTeを含む新規酸化物の合成を目指して実験を行ったところ、アルカリ金属(Rb)、遷移金属(Ta)を用いることで空間群Pbcm (No.57)に属する斜方晶系(a = 3.99, b = 15.13, c = 17.75 Å)の結晶を得ることができた。またアルカリ金属にKを用いることでRbと同様の粉末XRDパターンを示す多結晶を得ることが出来た。得られたXRDパターンと単位格子より、この結晶はタングステンブロンズ構造に近い構造であることが予想され、この新物質の結晶構造を報告する。