抄録
アルギン酸ナトリウム(Na-Alg)を利用して、アパタイト/コラーゲンナノ複合体(HAp/Col)を主成分とした注入可能な人工骨(以下骨ペースト)の作製を試みた。HAp/Col(未処理およびCa吸着処理)とNa-Alg(溶液粘度の異なる3種)の質量比は9:1に固定した。骨ペーストの粉末にはHAp/Colを、混練液にはNa-Alg水溶液を用いた。粉末/溶液(P/L)[w/v (g/ml)]比は、HAp/ColをP、Na-Alg水溶液をLとして計算した。骨ペーストの粘稠性試験と硬化試験を行った結果、セメントの操作性が制御可能で、実用的にはゴムへらでの混練が可能なP/L=1/1.67(低粘度Na-Alg)あるいはP/L=1/1.89(高粘度Na-Alg)が最小溶液量であることがわかった。流動性の高いP/L = 1/2.33の骨ペーストをモールドに充填して湿度100_%_、温度37℃に24時間静置すると、未処理HAp/Colを用いた場合はゲル化し、Ca吸着HAp/Colを用いた場合はパテ状になった。