抄録
製鉄用耐火物は,高温の溶鉄や溶融スラグと接することで化学的な損傷を受けるとともに,著しい温度変化に伴う熱衝撃を受け機械的に損傷する.製鉄プロセスの中では使用条件がプロセス,および部位毎に変化するため,損傷機構は複雑である.漏鋼などの事故を未然に防ぎ,耐火物コストを抑えるためには,損傷機構を明確にしてその対策をとることが重要である。本報告ではその具体例を紹介する.主樋スラグライン材では含有するSiCの酸化が律速であった.取鍋流し込み材では,操業の変化により損傷機構が剥離からスラグへの溶損に変化した.タンディッシュ流し込み材ではスラグ浸透による構造スポーリングが損傷の原因であった.