LiMn_xFe_1-xPO₄ガラスにおける構造と電気伝導特性

抄録

オリビン型リン酸鉄リチウムは原材料コストの安さ、電気化学的安定性の観点から近年、新たなリチウムイオン二次電池の正極活物質として注目されている。我々はリン酸鉄リチウムおよびマンガンを置換したリン酸マンガン鉄リチウムについて、ガラス結晶化法による合成法をこれまでに提案している。本研究ではリン酸ーリチウムーマンガンー鉄系ガラスの構造とイオン伝導特性に及ぼす影響を、ラマン散乱分光、交流インピーダンス法により評価した。LiFePＯ₄ガラスへマンガンを添加することで、密度は増大し、結晶の理論密度に近づくことが明らかとなった。LiFePO4ガラスは結晶に比べて低密度であるが、イオン伝導度は単結晶の値とほぼ同程度であることが明らかとなった。