抄録
モルフォトロピック相境界などに代表されるように、強誘電体においては応答物性がドメイン構造や結晶構造に大きく左右されることが知られている。特に強誘電体薄膜においては基板から受ける2次元的な応力によってこれらの構造が変化するため、結晶構造やドメイン構造を積極的に制御する試みが行われている。
本研究ではパルスレーザー堆積(PLD法)によってBaTiO3(BTO)薄膜を基板方位の異なるSrTiO3(STO)上に成長させ、そのドメイン構造を圧電応答顕微鏡(PFM)によって評価したので、これを報告する。
STO(100)上に成長させたBTO薄膜は面直方向のみの分極成分がPFMによって観測され、シングルドメインとなっている。それに対してSTO(110)及び(111)上に成長させたBTO薄膜においては面直方向の分極は揃っているのに対して、面内方向の分極成分がストライプ状のドメインを構成していることが分かった。