抄録
我々は、すでにアスペクト比の大きなナノファーバー状アルミナゾルを作製し、それを用いたアルミナ薄膜の作製に成功している。本研究では、ファイバー長を変えてアルミナ薄膜を作製し、その鉛筆硬度を調べた。その結果、ファイバー長1400nmのゾルから作製したアルミナ薄膜が、鉛筆硬度9Hと最も硬度が高くなることが分かった。そこで、その要因をFE-SEMやTPDなどで解析した。1400nm長のアルミナゾルは、塗布後平行で緻密に配列した。それより長いゾルでは空隙が発生し、短いゾルでは粒子状となった。また、1400nm長のゾルを用いたゲル薄膜は、低温で有機物が燃焼して除去された。これらのことが高硬度化の要因であると考えられる。