抄録
アスペクト比の大きなナノファイバー状アルミナゾルを用いてアルミナ薄膜を作製し、それをリン酸化合物水溶液に浸漬して水熱処理した。水熱後のアルミナ薄膜の接触角は10°以下であり超親水性を発現することが分かった。XPSおよびFT-IR解析により、この薄膜表面にはAlPO4が形成され、それが超親水性発現の要因であることを明らかにした。3.11東日本大震災による原子力発電所の事故により、大気中に放射性セシウムなどが放出された。そこで、この薄膜へのCs+イオンの吸着性を調べた。CsCl水溶液に超親水性アルミナ薄膜を短時間浸漬することにより、CS+イオンが吸着されることを、EDS解析などにより明らかにした。