抄録
BiFeO3(BF)は広い温度域で強誘電性と弱強磁性を同時に示す(TC ~ 1100 K, TN ~ 640 K)非常に稀な物質である。しかし、BF薄膜において望む強誘電特性を得るためには、ペロブスカイト構造の不安定さや低い絶縁性の改善が重要となる。本研究では、BFの構造を安定化させるため、ペロブスカイト型強誘電体であるPbTiO3(PT)をBFに固溶し、組成の制御が容易な化学溶液法により(1-x)BF-xPT薄膜を作製した。ここでは、x = 0.66から0.73の間にモルフォトロピック相境界が存在するという報告があるため、0.7BF-0.3PT組成の薄膜を中心に調査することにし、特に、絶縁性の改善のために揮発性元素であるBi, Pbおよび多価イオンとなるMn組成が電気的特性に与える影響について調査を行った。