抄録
PZTを超える新規非鉛圧電体材料を探索するためには、その端成分である正方晶圧電体が重要であるが、これまでの研究はチタン酸バリウム[BaTiO3]やチタン酸ビスマスカリウム[(Bi,K)TiO3]等に限定されていた。本研究では、2006年に正方晶強誘電体であることが報告されたコバルト酸ビスマス[BiCoO3]および亜鉛酸チタン酸ビスマス[Bi(Zn1/2Ti1/2)O3]の2種類のビスマス正方晶強誘電体に注目した。これらのビスマス系正方晶強誘電体は、高温高圧を用いないと作製できないことから、これまで圧電性に着目した研究は未だ多くはない。本研究ではMOCVD法を用いて、BiCoO3およびBi(Zn1/2Ti1/2)O3を含有するエピタキシャル薄膜を作製した。得られた薄膜について、結晶構造解析と電気特性および圧電特性を調査し、従来の鉛系圧電体膜と比較検討を行うことで、新規圧電体材料の設計指針を検討した。