抄録
BiFeO3は,室温で磁気的秩序と強誘電秩序が共存するマルチフェロイック物質として注目されている物質である。 最近、我々はBiFeO3に強誘電体BaTiO3を固溶させた(1-x)BiFeO3-xBaTiO3において、x=0.33近傍で菱面体構造(空間群:R3c)から立方晶構造に変化することに伴って、誘電率が増加すると同時に磁化率が減少することを見出した 。そこで本研究では、(1-x)BiFeO3-xBaTiO3での結晶構造の変化と誘電特性、磁気特性との相関について調べた。その結果、菱面体構造と擬立方晶構造との相境界であるx=0.33試料ではブロードな誘電率ピークが観測され、さらに、誘電率ピークの周波数依存性が見られた。このような誘電率の温度変化は、リラクサー誘電体に見られる特徴であり、局所的な分極領域の存在を示唆している。