抄録
一般に強誘電体の物理は,格子系の物理であり,誘電特性の理解に電子論的な取り扱いはされてこなかった.一方,第一原理電子構造計算手法の普及により,最近は電子論的な取り扱いにより化学結合を理解して,誘電特性を議論することが多くなってきた.結晶構造解析の研究においても,単純に原子位置だけを問題にする構造解析からレベルが上がり,今日では,電子密度レベルの構造解析やエネルギー分解した価電子密度分布の可視化ができるようになってきた.また,デバイス動作時を想定した電界がかかった状態でデバイス内部を透視して構造解析できるようにもなってきた.我々のグループで行われているこれらの最新の研究成果についてレビューする.