抄録
多くの蛍光体には希土類元素が使用されているが、世界的な需要の増大に伴って安定的な供給が不安視されている。本研究では希土類元素を全く使用しない蛍光体として、バナジン酸アルカリ土類を主成分とする蛍光体の開発を行った。その結果、青、緑、黄色の蛍光を得ることに成功し、赤を除く可視域を再現できた。これらの蛍光体は800~900℃程度の熱処理温度で合成することができ、これは典型的な蛍光体に比べると低い温度であった。また、これらのバナジン酸アルカリ土類塩系レア・アースフリー蛍光体では、VO43-またはV2O74-クラスタ中のO2-―V5+間の電荷移動が蛍光をもたらしていると考えられた。