抄録
鉛含有ガラスは電球・蛍光灯や光学ガラスなど様々な用途があるが、鉛は環境・人体に有害な物質であるため多くの分野で鉛代替材料が必要となっている。光学ガラスにおける鉛代替材料として注目されているスズリン酸塩系ガラスは紫外吸収、赤外透過性、低融点といった特徴を有する。一方で、このガラスは耐水性が低く、空気中での作製が困難といった問題点があるため、光学特性の評価はほとんど行われていない。これまでのSnO-P2O5 系ガラスの光学特性等の評価をによると、組成によって耐水性が低いガラスもあったが、第三成分の添加により光学特性の観点からは鉛代替光学ガラスとして、今後の見通しが立つ材料であることが示されている。本研究では、第三成分としてNb2O5を加え、ガラス化範囲の決定および耐水性と光学特性の向上を目指した。