抄録
近年、結晶成長を利用したボトムアップアプローチによって作製される酸化物ナノ構造体が注目を集めている。溶液中における有機物の配位・吸着により酸化物の結晶成長を制御することで、ナノ結晶が規則的に配列した階層構造が形成されることが報告されている。本研究では、Sn4+イオンに有機高分子であるポリアクリル酸(PAA)のカルボキシル基を配位させ、SnO2結晶の析出を制御することにより、その形態制御を試みた。PAAの添加により、SnO2結晶の形状は、粒径2 μm程度の球状粒子から、長さ100 nm程度のロッド状粒子により構成された粒径200 nm程度の花弁状粒子に変化した。