抄録
スピネル型フェライトCoFeMO4 (M = Al, Cr) は四面体位置のCo2+の結晶場遷移により、可視光域で大きな磁気光学効果を示すため、磁気光学デバイスへの応用の観点から興味が持たれている。一方、Fe3+の一部を希土類で置換したフェライトにおいては、希土類が持つ4f軌道の大きな磁気モーメントの影響により、磁気光学効果のピークが増加すること、また、低波長側にシフトすることが知られている。しかし、CoFe1-xRxMO4の系についての磁気光学効果は詳細に研究されていないのが現状である。
そこで本研究では、PLD法によりCoFe1-xRxMO4薄膜をシリカガラス基板上に成膜し、新規透光性磁性体としての評価を行うことを目的として実験を進めた。