抄録
ガラスやセラミックスを作製するために用いられるゾルゲル法などのゲルは,一般的に含水状態のため,微細な構造を把握することが難しい.一般的に,電子顕微鏡の真空中では変形を伴うため,様々な処理が必要とされ,その処理によっても元の構造・形状を変化させてしまう可能性が考えられる.今回,我々はイオン液体の不揮発性・難燃性・電導性などの特性を生かし,膨潤ゲルにイオン液体を処理することでその構造を観察し,正しい構造が得られているかを解析した.また,イオン液体を用いた電子顕微鏡観察のメカニズムについても新たな手法を用いて検討した.