抄録
LaYO3は1400℃焼成で斜方晶ペロブスカイト型構造、1600℃焼成で単斜晶希土類B型構造を示した。そこでABO3化合物でBサイトのイオン半径効果を調べるために、Yより大きいイオン半径(Ln=Dy, Ho)、または小さいイオン半径(Ln=Er, Yb)を用いてLaLnO3系の相関係を研究した。その結果、大きいイオン半径の場合は1400℃、1600℃と焼成温度に関わらず単斜晶希土類B型構造を示し、一方小さいイオン半径では焼成温度に関わらず斜方晶ペロブスカイト構造を示した。したがってLaLnO3系の結晶構造はLnのイオン半径の大きさに強く依存していることがいえる。そこでLnのイオン半径効果を詳細に検討するため、La(Ln,Ln’)O3の固溶体系で調査した結果、LaHoxYb1-xO3系もまた焼成温度に依存し様々な結晶構造を示した。