抄録
着脱色の繰り返し安定性は感湿材料の重要な性能指標の一つである。この評価を精密に行うためには、外気を完全に遮断した実験環境で、吸湿-加熱乾燥の作業を繰り返しつつ、可視吸収スペクトルを取得し続ける作業が必要である。こういった長時間の単調作業を人力に頼るのは研究開発効率、データの正確性の両面で好ましくない。
そこで今回、感湿材料の繰り返し安定性の測定を前処理も含め、全て自動で行うことの出来るシステムを構築した。構築したシステムは、2台のヒータ、2台のマスフローコントローラ、8個のソレノイドバルブ、2個の湿度センサ、可視分光器、観察光学系、USBカメラからなり(Fig. 1)、ネットワークを組んだ5台のPCで制御されている。制御・データ収集プログラムはLabVIEW(National Insturuments Corp.)を用いて作成した。配管材料にはPTFEあるいはPFAを、サンプルセルには石英ガラスチューブを用いた。
このシステムを用いて、バナジウム酸化物担持非晶質シリカ感湿材料(平均細孔径2.5nm、V原子表面密度 約0.5原子/nm2)の100回着脱色繰り返し安定性を評価した。工程は一週間以上に及んだが、一度のトラブルもなく、最後までデータを取り切ることが出来た。
ここで使用した技術は、感湿材料同様2状態をスイッチする材料の評価システムの構築にも大いに役立つものと期待される。