抄録
近年、炭素原子から構成される材料として、グラフェン、フラーレン、カーボンナノチューブあるいは、炭素繊維など、特異な形態と特性を有する新規材料が開発されている。カーボンマイクロコイル(CMC)は、炭素繊維の一種であり、繊維径が数100nm-数μmで均一なピッチをもったらせん構造を有する特徴的な構造を持った材料として、高感度な触覚・近接センサ素子、電波吸収体としての応用が期待されている。カーボンマイクロコイルは、アセチレンなどの雰囲気中で合成され、Niなどの金属触媒を介してらせん状に自己形成するとされている。一方、合成によって得られたカーボンマイクロコイルは、ピッチ、繊維径あるいはカイラリティーなど形態が様々であり構造制御が今後の課題である。本研究発表では、電子顕微鏡を用いたカーボンマイクロコイルの微細構造の解析結果について詳細に発表する。