抄録
ニオブ系無鉛圧電セラミックスはキュリー温度が400oC以上と高く、比較的優れた圧電性を示す。しかしニオブ系は、焼成中にアルカリおよび酸素欠陥が生じやすく、圧電性および絶縁性が劣化しやすい問題がある。本研究ではニオブ系の電気伝導性および分極試料の脱分極挙動を評価し、セラミックス内部の欠陥構造を推定した。
分極したニオブ系を加熱した場合、相転移温度近傍における焦電流に加え、酸素欠陥の熱緩和に起因するブロードな脱分極電流が発生し、分極処理によってセラミックス内部の欠陥分布が変化することが示唆される。この温度上昇に伴う急激な酸素欠陥の熱緩和挙動はMn添加によってその開始温度が約100oC低温にシフトすることが明らかとなった。