抄録
Li0.06(Na0.50K0.50)NbO3 (LNKN06)は高いキュリー温度(TC=465oC)を有し、比較的広い温度範囲(~350oC)まで良好な圧電特性を示す。この優れた圧電特性は、室温付近に存在する正方晶 - 斜方晶相境界の存在だけでなく、結晶中の内部応力と関連している可能性を報告してきた。本研究では、LNKN06をp、t、31、および33振動モードの規格形状にそれぞれ加工し、形状が異なる試験片の圧電特性の温度依存性を評価した。LNKN06セラミックスの周波数定数Np、Nt、N31およびN31はそれぞれ21、9、0および-5oCで極小値を示した。示差熱(DSC)測定から決定した相転移温度は15oCであり、上記のどの温度にも一致しない。一方、周波数定数とその極小値温度には、ほぼ比例関係が存在することを確認した。