抄録
焼結助剤としてLiを添加したガドリニウム固溶セリア(GDC)の緻密化挙動について、アルキメデス法、熱膨張計測法と陽電子消滅法を用いて調べた。シュウ酸沈殿法によって調製したGDC粉末を硝酸リチウムが溶解したアルコール溶液に加え分散後、溶媒を蒸発させてLi添加GDC粉末を調製した。Liの添加量は3mol%とした。Li添加GDCのペレットを作製し873~1273Kの温度で6時間焼結した。Liを添加すると粒子再配列によって、引き起こされるShrinkageが大きくなった。一方、陽電子寿命はLiの添加の有無に関係なく、焼結温度が高い領域でほぼ同じ値を示すことが分かった。以上よりLi添加はシンタリングネックの緻密化に大きく寄与するが、結晶粒内の緻密化には寄与しないことが示唆された。