抄録
資源的に豊富で安価なMnを含むリチウム化合物は,リチウムイオン二次電池の正極材料として現在注目されている。特に,スピネル型構造をもつLiMn2O4は,優れたリチウムイオン伝導性および構造安定性をもつため,次代の正極材料として有望視されている。本研究では,フラックス法により,小型で高品質なスピネル型LiMn2O4結晶を育成した。フラックスには,安価で環境や人体への負荷が小さい塩化物を使用した。XRD分析より,LiMn2O4が単一相で生成したことを確認した。生成した結晶は八面体を基本形状とし,その結晶サイズは,溶質濃度および保持温度に依存した。