抄録
炭化珪素のエンジニアリングセラミックスとしての利用範囲を広げるためには、金属材料との接合技術開発が必須である。しかしながら、ステンレス等の金属との接合は、特に熱膨張係数の大きな違いから健全な接合を得るのは非常に困難である。本研究では、これらの問題を解決するために界面層を導入し、炭化珪素とステンレスの接合技術の開発を目的とした。熱膨張係数差を緩和するためにニッケル層を導入し、炭化珪素とニッケル層との反応を制御するために間にタングステン層を入れることにより、引張強度で55MPaを有する健全な接合技術開発に成功した。