抄録
イットリアセラミックスは高い融点を有し,優れた化学的に安定性を有するため近年工業的に注目を集めている.本研究では常温焼結によって高密度,高強度のY2O3を作製することを目的とした.原料粉末として高純度のイットリア試薬を用い,26種類のドーパントを各1 mol%添加ししたものを一段階目保持温度T1:1490℃,二段階目保持温度T2:1350℃,二段階目保持時間t2:20hの条件で二段階焼結を行った.ドーパントのカチオンのイオン半径の小さいものは粒内割れを起こし、大きいものは粒界割れを起こす傾向にあった。粒内割れを起こしたものの方が粒径が大きく、高い相対密度と硬度を得た。また、TiO2はY2O3の最も緻密化に貢献し,高強度の焼結体が得られた.