抄録
TiN粒子分散Si3N4セラミックスは、TiNがSi3N4の粒界を強化して接触疲労寿命が向上することから、軸受用材料として応用されている。このようなTiN粒子分散Si3N4セラミックスにおいて、高硬度なTiNを微細化することにより軸受等で使用する際の相手金属攻撃性が低減することが期待されるが、これを実現するためには原料中にナノサイズのTiO2粒子を均一に分散することが必須である。そこで、本研究では湿式ジェットミルを用いてTiO2ナノ粒子の均一分散を図った。
その結果、ボールミルで作製された試料中のTiNは数百nmに粒成長しているのに対して、湿式ジェットミルで作製されたSi3N4セラミックス中にはこのような粗大なTiN粒子は確認されなかった。