抄録
我々は熱処理結晶化法を用いて、Nd-Fe-B薄膜磁石の作製を行ってきた。これまで、Mo基板上で大きな保磁力(Hc)を持つ膜の作製に成功しているが、Si基板上に作製した膜ではMo基板と同様な保磁力は得られていない。そのため、本研究では、基板や基板温度がNd-Fe-B薄膜磁石の磁気特性に与える影響を調べることを目的とした。スパッタにより成膜した試料は、XRD、SEMから非晶質だと思われ、膜面法線方向に磁気異方性を持つ軟磁性を示す。熱処理後は基板温度(Ts)により磁気異方性に変化が見られた。Ts=450℃でSi基板上に成膜した試料は、膜面垂直方向に磁気異方性を持ち、Hc=6.5~11.2kOeであった。この保磁力の差は、結晶粒径や非磁性相といった微構造が原因であると考えられる。