抄録
硫化物系蛍光体は、酸化物系蛍光体に比べて共有結合性の増大により発光中心であるEu2+の励起状態が低エネルギー化し、近紫外・可視光によって励起されるため白色LED用の蛍光体として有望である。そこで、本研究では溶液プロセス、ガス還元硫化、アンプル封入中での固相反応を組み合わせた複合無機化学的手法を用いて、新しい組成を持つ(Ca, Sr, Eu)系チオシリケート蛍光体の合成を試みた。その結果、新規の(Ca,Sr,Eu)系チオシリケートCa0.9Sr(Eu)0.1SiS3の合成に成功した。また、Ca0.9Eu0.1SiS3は350-470 nmの近紫外・可視光の励起により626 nmにピークを有する橙色の発光を示した。