抄録
イオンビーム誘起結晶成長は、主にイオンビームとの弾性衝突により与えられた運動エネルギーにより結晶原子の拡散を活性化し、結晶化を促すものであり、欠陥生成速度を超える結晶化速度が得られた時に進行する現象である。この時、照射したイオンが結晶格子に取り込まれれば、元の結晶とは異なる組成の結晶が成長する。本研究では、Sn+イオン照射によるSn固溶チタニア単結晶のイオンビーム誘起結晶成長について試みた。50keVのSn+をTiO2(110)面にイオン照射した。室温ではイオン照射による表面荒れが進行したが、823Kではイオンビーム誘起結晶成長が起こり、原子レベルで平坦な表面を有する結晶成長を実現できることが判った。