抄録
近年,センサやアクチュエータなどのデバイスの小型化や集積化が進む中,半導体プロセスとの融合の観点から低温で圧電セラミックス厚膜を形成する技術が求められている.この低温セラミックス形成技術の1つにゾル-ゲル法があり,同法では溶液の塗布および焼成の工程を繰り返し,µmオーダーの厚膜を得ている.本研究では,1回の工程で厚膜を作製できるゾル-ゲル法プロセスの開発を目的に,作製するPZT膜と同組成の非晶質粒子をゾル溶液に添加することを考案した.非晶質粒子,ゾル,溶媒の比率および乾燥,焼成条件を最適化することで,1回の工程でクラックやピンホールのないPZT厚膜を作製することを目的とした.