抄録
コアシェル構造の形成機構を明らかにする目的で単純なBaTiO3(BT)-Y-Mg系におけるモデル実験をおこなった。BT4Y2Mgについて還元雰囲気下で焼成したところコアシェル構造が形成されるのに対して、大気中で焼成したところ、YのBaTiO3粒内への固溶はほとんど進まず明瞭なコアシェル構造は得られなかった。また、低酸素分圧下ではYはBT格子のBaサイトに選択的に固溶する傾向を実験的に見出した。これらの実験事実から、MgによりYの固溶が抑制される効果と、酸素空孔濃度の増加に伴いYのBaサイトへの固溶が促進される効果とのバランスによってコアシェル構造は形成されると考えてモデル化を進めた。