抄録
エアロゾルデポジション法(AD)を用いて,これまで作成が困難であったBaTiO3系ナノ粒子セラミックスを作製し,そのサイズ効果について検討を行なった.AD法でSrTiO3基板上に作製したBaTiO3厚膜に600℃で熱処理を施すことで,BaTiO3の自立膜を得た。またこれを様々な温度で再び熱処理することによって粒径の制御を試みた.その結果,粒径24~170 nmのナノ粒子セラミックスを得ることができた.誘電特性を評価したところ,本研究で得られた粒子の領域では,粒子の減少とともに誘電率が減少した.また,Ba(Zr,Ti)O3は純粋なBaTiO3以上にサイズ効果の影響を受けやすく,誘電率の低下が大きいことが明らかになった.