抄録
特異なガラス構造,2.1を超える屈折率,高いイオン性を有しているBaTi2O5ガラスについて,Ba2+をCa2+で置換した場合の物性の変化を調べた.Ba1-xCaxTi2O5組成でのガラス化範囲は0 ≤ x ≤ 0.85であった.密度とモル体積はどちらも線形的に減少していることから,ガラス構造に不連続な変化は無いと考えられる.ラマン散乱測定からもガラス構造の連続的な変化が裏付けられた.示差熱分析からガラスの熱特性を評価したところ,xの増大とともにガラスの安定性が上昇することがわかった.また,Ca量の増加とともに,光学バンドギャップの減少,屈折率の増大が見られた.